MyTAKE定食

マイタケのお好きなものをお出しします

ヴァージン・スーサイズ-ソフィア・コッポラ

 おはようございます。春の陽気ではありますが、色々あって鬱屈とした朝を迎えました。時間が解決するのかもしれませんが、今は何をしてても手に着かず、生気を失っております。

 

 そんなブルー日の朝なんて誰にでもあるわけで、そんな中もっと鬱屈とした映画を紹介していきたいと思います。仕事に行きたくない、学校に行きたくない、面接に行きたくない、世界はストレスでまみれています。彼女たちもそんな世の中のしがらみから解放されたく生き抜いたのでしょうか。

 

 ネタバレも含みますがあらすじをざっと書いていきます。

 

 リスボン家というアメリカの一つの家庭。そこには5人姉妹が居ます。テレーズ、メアリー、ボニー、ラックス、セシリア。周囲の少年たちも魅了する美人姉妹。

 

 物語は一番末っ子のセシリアが手首を切る自殺未遂をするところから始まります。ここでは命は助かり、精神科に精神鑑定されながらも自宅療養することになります。そこでホームパーティをひらくのですが、セシリアだけは一人部屋に戻り、窓から飛び降りお庭の柵に身体が貫通する形で自殺をします。少年たちはセシリアの日記を読み自殺の原因を模索します。

 

 その後お話はラックス主体に描かれていきます。場面転換し、トリップという青年(高校生)との恋模様。ダンスパーティーにみんなで出かけた後、ベストカップルに選ばれたラックスとトリップはそのまま野外で結ばれます。

 しかし朝起きたラックスはひとりぼっち。

 

 朝帰りし、門限を破った娘たちには外出禁止令が出され、ラックスには大好きなロックのレコードも暖炉に入れ、異臭は放ちながら燃やさせます。

 よほどショックだったのでしょうか、ラックスは不特定多数の男と自宅の屋根の上で関係をもちはじめます。周囲の少年たちはそれを望遠鏡で覗いて盛り上がっています。

 

 そして増々社会生活から切り取り、取り残されていった姉妹たち。

 

 そんな少女たちの救済信号に周囲の少年たちは気付き始めます。姉妹から届いた手紙を読み、電話越しにレコードを流したりとなんとか彼女たちとの繋がりを求めていきます。

 

 彼女たちを救いに出すためにリスボン家に向かうのですが、そこでみたものは…

 

 セシリアを除くのこり4姉妹の自殺した姿でした。

 

 ここは一瞬のシーンだったので私の個人的な解釈を含みますが、おそらくラックスにおいては一酸化酸素による自殺だと思いました。これは母親にレコードを燃やされたラックスの精神的描写があったように感じます。

 

 以上がヴァージンスーサイズのあらすじです。非常に暗く重たいお話に感じますが、映画のテンポや、色合い、音楽も含めて、そこまで暗くはないです。どちらかといえば少女たちの幻想的な儚い美しさを貴重とした映画なので、文面でこの感覚を上手く表現できればいいのですが、なかなか難しいです。

 

 余談になりますが、ヴァージンスーサイズを邦題にしたらどうなるのだろうという話をしたことがあります。スーサイズは自殺という意味ですが、ヴァージンには多くの意味を持ちます。初めての自殺といかうめちゃめちゃ在り来たりな翻訳もしましたが、処女たちの自殺という方がしっくりくる気もします。まぁラックスにおいては処女ではなくなっているので、それも違うかなぁなんていう話をしたことにとがあります。

 

 カトリックという宗教観と学校という限られた社会の中で葛藤し、自殺を図った少女たち。多感な時期なので、女の子なら通る道なのではないでしょうか。今でも通用するお洒落な映画なので若い方々にも観ていただけたらと思います。

 

 さあ、私もかなり精神的に少し参っていますが、それでもやはり誰かと携わっていたいという気持ちがあってブログを書いています。私のSOSは届くでしょうか。